Japanistについての暫定的な結論(親指シフト導入記13)
1 NICOLAとJapanistの最強タッグ
もともとATOKユーザーだった筆者がJapanistを試してみる気になったのは、「Japanistを使わないと親指シフトのメリットは半減する」という2chの書き込みにインスパイアーされてのことであった(詳細はこちらを参照)
当時、NICOLAの効果に幻滅しかけていたこともあり、いわば藁にすがるような想いでJapanistの導入に踏み切ったわけだが、使い始めてから一月あまり経過した現在、あの書き込みが真実であったことを身をもって実感している。
以前の記事でも書いたように、親指キーを中心としたその操作の統一性(読みの入力と[文節/予測]変換操作のシームレス性)は快適なことこの上なく、ATOKで親指シフト入力を行なっていたときに感じた疲労感や違和感は、この一月で完全に払拭された。
そう、NICOLAとJapanistは、併用することによって初めて、その本来の力を発揮する。逆に言えば、このコンビネーションでなければ(2chのあの書き込みが明言しているように)効果が半減されてしまうのである。
2 他のIMEでは代用できない?
たとえば、Japanistが得意とする入力予測や変換操作の省略(変換候補を選択して次の読みを入力すれば自動的に確定される)などは、現在は他のIMEでも利用できるようになっている。
また、ATOKではキー設定で「oak」を選択すれば、Japanistに近い操作環境を実現できるらしい(この設定方法については、後日、別の記事で詳しく紹介する予定)
しかし経験者の語るところでは、やはり細かな使用感、とりわけ親指シフトとの連動性という点で、ATOKはJapanistの完全な代用品にはならないそうだ(JISキーボードが専用キーボードの代用品にはなれないのと同様である)
だから、NICOLAを習得してもいま一つその恩恵を実感できないという方(かなり多いと思う)は、ぜひJapanistを導入して、その操作性を体感していただきたい。きっと親指シフト入力の真の快適さを味わえるはずであるから。
逆に、Japanistをローマ字入力で使用している方も、余裕があればNICOLAでの入力にチャレンジしていただきたい(できれば、専用キーボードで)。入力効率がさらに高まること、請け合いである。
3 初心者のための提言
3・1 富士通製品で揃えるべし
・遠回りした者の見解
このように、キーボードもIMEも共に富士通製品を勧めることは、親指シフトの推奨者の間でも、これまで躊躇われてきたように思う(値が張ることがその最大の理由だが、NICOLA設立の経緯も多少は影響しているだろう)
しかし、下手な代用品を使って幻滅感を味わわせるよりは(筆者自身がまさにそうだった(汗))、多少割高ではあっても本物の装置を使って本来の使用感を体感させる方が、結局は親指シフト習得の近道になるように思う。
だから、(たとえ富士通の回し者と誹られようとも(笑))筆者はあえてこう断言したい。NICOLAの習得を望む者は、富士通製の専用キーボードとJapanistを共に購入すべし、と。(注)
(注)ただしJapanistについては、富士通の直営店で買うよりもアマゾンなどで購入した方が、多少は安くなるかもしれない(筆者の場合はアマゾンで購入したが、直営店で買うよりも1000円ほど安くなった)
一方、専用キーボードについては直営店からしか入手しにくい状況なので、アクセスなどで購入するのが無難だろう。
3・2 学習の順序
・JapanistからNICOLAへ
次に、NICOLAの習得とJapanistの操作法の習得という2つの課題が初心者を待ち受けているわけだが、筆者自身はJapanistの学習から始めるのがいいと(現在では)思っている。
慣れ親しんだローマ字入力でJapanistを使っていれば、(特にタイプ練習などしなくても)1~2週間のうちにだいたいの操作法はマスターできるだろうし、万一、親指シフトの習得に挫折しても、作業効率のかなりの向上が見込めるからだ。(注)
(注)少なくとも、以前より作業効率が上がったと「実感」することはできる。
逆のコース(NICOLAの習得→Japanistの習得)をたどった筆者の経験では、せっかく新しい配列をマスターしてもIMEが元のままでは、作業効率のアップをあまり実感することができなかった。
おそらく客観的に測定すれば、入力速度はローマ字入力の頃よりも多少は改善されていたのだろう。しかし、そうした改善は「主観的には」なかなか実感されにくいのである。
この問題については、項を改めて考察することにしたい。
Japanistの操作にだいたい慣れたら、次はNICOLAの学習に入るわけだが、これには地道なタイプ練習が不可欠である。
しかし、専用キーボードとJapanistを併用していれば、比較的楽に、かつ速やかに親指シフト配列をマスターできるだろう。(注)
(注)筆者の見積もりでは、1日に30分から1時間ほどのタイプ練習を続けていれば、だいたい2~3週間ほどで新しい配列を覚えることができるように思う。
もちろん、以前のように頭に浮かんでいる内容を無意識的に入力できるようになるには、そこからさらに入力経験を積む必要があるが、それでもたいていの人は練習を初めてから2~3ヶ月ほどで、そうしたレベルに到達できるのではないだろうか。
なお、タイピング練習の具体的な内容については、次回の記事から3回にわたって詳細に検討する予定である。
4 挫折経験者への提言
これまで親指シフトというと、とかくその入力スタイル(の是非)ばかりに関心が向けられてきた。
しかし、(上でも触れたように)NICOLAとJapanistは一緒に使用して初めて、その真価を発揮する。どちらか一方だけを習得しても、本来の操作性に到達することはできないのである。
したがって、以前親指シフトに挑戦したけれども挫折した(が、今でもまだ未練がある)という方は、(遠回りに思えるかれしれないが)まずはJapanistの使い心地を体感することから始めていただきたい。
そしてその操作性に慣れたら、(騙されたと思って)もう一度NICOLAの習得にチャレンジしてみていただきたい。
おそらく良い結果が待ち受けているはずである(ただし、専用キーボードの使用が不可欠なので、要注意のこと)
(以下、次号)
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コメント
度々のコメント失礼します。
やまぶき、まだ導入できてませんが
(dillファイルとかになってしまいます)
ジャパニストで十分代用できそうです。
長年使ってるのに、知らなかったことだらけでした。
おかげさまで、入力がバク速になりそうです。
ありがとうございました!!!
投稿: かほ | 2011年11月 6日 (日) 07時17分
かほ様
コメントどうもです。
やまぶき(私の場合は、やまぶきRのVer1.6.0ですが)を起動するには、「Yamabuki_r1.6.0」というフォルダ内の「yamabuki_r.exe」というファイル(パソコンが64bit版の場合は、「yabu_r64.exe」)をダブルクリックすればいいと思います。起動すれば、タスクトレイに黄色いアイコン?が表示されます。
また、定義ファイルを修正する手順については、こちらをごらんください(結構、ややこしいですが…)
なお、やまぶきRは、IMEの入力モードがローマ字入力の時のみ、正常に作動します。Japanistの場合は初期入力状態(動作環境ー文字入力)にローマ字を指定すれば、前回の記事のような効果が見込めるわけですが、もし「かな」を選択すれば、Japanistの定義が優先されます(やまやきRは機能しない)
かほ様がふだん「かなモード」でJapanistを使用しておられる場合は、やまぶきRは機能しないわけですから、無理に導入をしなくてもいいのかもしれません(汗)。(Japanistの)快速親指シフトと(Keylay00などの)キー入れ替えソフトの組み合わせで、十分、元の操作環境が回復されると思います。
というわけで、私の記事はかえって混乱を招いてしまっただけかもしれませんね(汗)。ともあれ、新しいパソコンでますます快適な親指シフト生活を過ごされることを、心よりお祈りしております。
以上、取り急ぎご返答まで。
投稿: shibue | 2011年11月 6日 (日) 12時24分