« Japanistの操作性のツボ(上)(親指シフト導入記9) | トップページ | Japanistへの要望(親指シフト導入記11) »

2011年11月 3日 (木)

Japanistの操作性のツボ(下)(親指シフト導入記10)

4 入力予測というキラー・ツール

4・1 入力予測の効用
・打鍵数の大幅な節約

 (以前も触れたように)Japanistには強力な「入力予測機能」がついていて、過去に入力した文字列を学習し、その後同じ読みが入力されると、以前学習した文字列の中から該当しそうな候補を列挙してくれる。

 つまり、冒頭の1~2文字を入力して、表示される入力予測候補の中から適切なものを選択すれば、全ての読みを入力せずとも、次の語句の入力へと移行できるわけである(もちろん確定操作は必要ない)

 これによって打鍵数の大幅な節約が可能となるわけだ。

・予測精度の上昇

 しかも、直前に確定した候補が先頭にリストアップされるメカニズムになっているので、使い込むほどに予測の精度は上がっていく(よく使う文字列ほど自然に上位にリストアップされるようになるわけだから)(注)

 (注)あるテーマで文章を書いていれば、使用する文字列も自ずと限定されていくことも、予測精度の上昇に一役買っているのだろう。

 数語入力すればかなりの確率で思い浮かべていた文字列が登場するので、Japanistの予測変換機能に慣れると、長文を一気に入力する習慣自体がなくなってしまうのである。

・操作のシームレス性

 操作性も通常の変換作業とほぽ同じ(次候補の選択は「Ctrl+変換」、前候補は「Ctrl+無変換」、候補を選択して次の文字列を入力すれば自動的に確定)なので、予測変換と(通常の)変換を同一の感覚で行なうことかできる。(注)

 (注)通常の変換操作の場合、次候補の選択は「変換」で、「Ctrl+変換」には「語尾変換」の機能が割り当てられている。
 ちなみに語尾変換とは、複文節を入力して変換する際に、末尾の文節だけを変換する機能のこと。
 たとえば「けはいにきづいた」と読みを入力して変換操作に入り、「気配に気付いた」と変換されたとする。これを「気配に気づいた」に修正したい。
 ここでもう一度「変換」を押すと、冒頭の文節(「気配に」)から変換操作を行なうこととなるが、「Ctrl+変換」を押すと末尾の文節だけを変換することができ、変換に伴う工程を一段階、省略することが可能となる。
 ただしこの機能を使う場合は、動作環境の「動作」の設定で、「初変換で先頭文節に着目する」のチェックを外してやる必要があるこちらの図を参照)
 また(単)文節変換で「Ctrl+変換」を押すと、「次候補の選択」になる(「変換」を押すのと同じ)。したがって、文節変換を多用する人にとっては、あまり縁のない機能と言えるのかもしれない。

 ただし、英数モードで予測変換を行う場合、操作法に大きな問題が出てくる。英単語の次に日本語を入力したい場合、(英語の予測変換候補を)確定せずに次の読みを入力しようとしても、そのまま英字が入力されてしまうのである。

 この場合は、「予測変換候補をいったん確定してから、無変換キーでかなモードに切り換え、次の読みを入力する」という面倒なステップをたどらねばならない。

 この辺りの操作性の不統一については、今後、改善の余地がありそうである。(注)

 (注)ちなみに筆者は、JapanistとやまぶきRを併用することで、この問題をクリアした。これについては、追って詳細に説明する予定。

4・2 入力予測にまつわる諸問題

 このように入力予測/予測変換はとても便利な機能であるが、問題点もいくつかある。

・プライヴァシーの問題

 まず、大きな課題はプライヴァシーの問題。マルチユーザーの設定になっていれば、ログオンするユーザーごとに入力予測データが異なるので、個人的な入力予測候補を見られる心配はない。

 しかし、(ログオン中の)自分のパソコンを一時的に他人に使わせるケースなどでは、そのままでは自分の入力予測候補を相手に見られてしまうおそれがある。

 それが嫌な人は、事前に入力予測情報を初期化しておくとよい。その手順は以下の通りである。

  1. 「Ctrl+Alt+(漢字)」で、動作環境ダイアログボックスを開く
  2. 「辞書/DBの管理」をクリックして、「入力予測情報の初期化」ボタンを押す
  3. 「記憶した文章データを削除してもよいか?」と聞いて来るので、「Ok」を押す

 これで他人にいかがわしい(笑)予測候補を見られる心配は、とりあえずはなくなるわけだが、同時に、入力予測も白紙の状態になってしまうので、作業効率が一時的に落ちてしまうことは避けられない(学習の再開によって作業効率はすぐに回復するが)

 そうならないためにも、怪しげな文字列を入力した場合は、その候補だけを個別に削除するクセをつけておくとよいかもしれない。(注)

 (注)入力予測でリストアップされた候補の中から削除したい文字列を選択し、「Ctrl+M」あるいは「Delete」を押せば、その文字列だけが削除される。

・壊れやすい入力予測辞書

 もう一つの問題は、入力予測辞書が壊れやすいこと。一定期間使用しているうちに「入力予測データ破損エラー」の表記が出て、辞書の初期化を要請されるのである(原因は不明)

 おかげで筆者などは、Japanistを使用し始めてからまだ二月ほどしか経っていないのに、もう3度も初期化する羽目になった(苦笑)

 まあ、また一から予測辞書を育てていけばいいわけだが、不安な人や作業効率を少しでも落としたくない人は、頻出語については丹念に単語登録をしておいた方がいいのかもしれない。(注)

 (注)単語登録の方法は、こちらを参照。なお、予測変換でリストアップされた候補も、「Ctrl+T」で登録することができる

・他のソフトの予測機能とのバッティング

 あと、エクセルのオートコンプリート機能やグーグル・クロームの予測サービスなどとの相性があまりよくない。Japanistの入力予測を優先したい場合は、これらの機能を外してやればいいだろう。(注)

 (注)なお、Japanistの入力予測を一時的に止める方法や、そこから入力予測を復帰させる手順については、こちらを参照。

5 その他のポイント

 Japanistの操作性や設定に関して、特に初心者がおさえておいた方がよいと思われるポイントを、あと2点ほど書いておくことにする。

5・1 文字列の反転表示にこだわらない
・確定と未確定の未分離

 Japanistは、確定と未確定の間がはなはだ曖昧である。一度確定した文字列も「変換」キー一発で簡単に再変換できるし、(上述のように)変換の際には候補を選択した状態で次の読みを入力すれば、自動的に確定されている。

 ところが、他のIMEで変換の度に確定する作業に慣れている人は、表示されている文字列が反転表示されてるのを見ると、ついつい確定したくなってしまう。「Enter」キーをバシッと叩いて、まっさらな状態にしたくなるのだ(笑)

 ちなみにJapanistでは、変換操作中、及び、無変換を選択した状態の時に文字列が反転表示される。

 しかし、その状態で次の文字列を入力したり、(同時に開いているブラウザなど)他のアプリを見に行っても自動的に確定される(笑)のだから、反転状態の文字列は事実上、確定状態にあると見なしてよい

・「確定したい病」の克服

 他のIMEの操作に慣れている人は、まずはこの「反転表示をまっさらにしたい病(=確定したい病)」を克服することから始めよう。そうすることで打鍵数を相当減らすことができるはずだから。

5・2 英数字でも変換できるようにする
・自動確定の落とし穴

 Japanistを使用している人の中には、英数字や記号を入力すると自動的に半角で確定する設定にしている人も多いと思う。

 英文書類に限らず近年は日本語の文書でも、英数字を半角で表示させるのがお約束になっているので、これは当然の措置と言える。

 しかしこの設定にしてしまうと、入力の際に英数字を別の候補に変換できなくなってしまう。

 たとえば英単語をすべて大文字で表示させたいとき、「そのまま小文字で入力して変換で全大文字の候補を選択する」という便利な技(入力前にいちいち「Shift+Caps Lock」で大文字/小文字を切り換えずとも済むわけだ)が使えなくなってしまうのである。(注)

 (注)もちろん、入力後に再変換で大文字に修正することはできるが、余分な工程が増えることとなり、思考の流れが妨げられる恐れがある。

 しかしそれ以上に痛いのが、英数字で予測変換が使えなくなることだろう。

 予測変換は読み入力状態(点線のアンダーラインが表示されている状態)の時にのみ作動する。自動確定の設定にしてしまうと、変換候補が表示されなくなってしまうのである。

・直接確定文字のチェックは外すべし

 そもそも、英数字を自動確定に設定しようという衝動に駆られるのも、前節で述べた「確定したい病」の症状の一つだと考えられる。

 だから、直接確定文字のチェックはこの際、全て外してしまおう。設定は以下の通りである。

  1. 「Ctrl+Alt+(漢字)」で、「動作環境」ダイアログボックスを開く
  2. 「文字入力」をクリックし、「直接確定文字」のチェックを全て外す(こちらの図を参照)
  3. 次に「動作」をクリックし、「英字/かなモード時の変換/無変換キーの動作」の2つの項目にチェックを入れる(こちらを参照)
  4. 「キーボード」-「快速親指シフト」の設定ボタンを押す。すると、このようなダイアログボックスが開くので、親指右シフトの設定をともに「変換」にしておく

 これで英数字でも(予測)変換ができるようになるはずである。

 (以下、次号)

|

« Japanistの操作性のツボ(上)(親指シフト導入記9) | トップページ | Japanistへの要望(親指シフト導入記11) »

コメント

始めまして。
勝間さんの本に触発され、親指化キット、ジャパニスト、リアルフォースを使っている親指シフター二年目のものです!

やまぶきの情報を求めてこちらのブログを発見しました。
今ひゅんQとキー入れ替えソフトを使って親指化してるんですが、ひゅんQが配布中止になったと聞いて次のソフトをさがしていたところです。

でも、なかなか詳しいマニュアルが見つからず導入できず、(パソコン音痴なんです)
だから、こちらのブログは詳細でわかりやすくとても嬉しかったです!
参考にさせていただき、再度トライしてみます!

私は一度腱鞘炎を患っているので、小指は全部ブランクにして、左側のキーを二つずつずらしたり、

右シフトをエンターにすることなどはどうしても変えられないのですが、

やまぶきは、キー入れ替えソフトと共存できないと書かれている記事を見かけ、ドキドキしてます。

パソコン買い替えを検討してますが、親指アンドキー入れ替えができないなら、かえってストレスたまりますので。

あ、それから、普通のキーボードでは、かえって指が疲れると私も思います。

専用キーボード魅力的なんですね!

大幅なキー入れ替え可能なら使ってみたいです。

親指化キット、素晴らしいんですよ。
私ももう一組欲しくて問い合わせしようと思ってたくらいです。
生産中止は残念ですね。

それから、ジャパニスト、確定が不要とは今まで気づきませんでした。
いい情報を教えてくださってありがとうございます!

投稿: かほ | 2011年11月 3日 (木) 08時03分

 かほ様

 コメントありがとうございます。

 「やまぶきと(他の)キー入れ替えソフトと共存できない」とのことですが、私の場合は「Keylay00」という入れ換えソフトとやまぶきを併用しているのですが、今のところ、つつがなく動いています。

 もっもと私の場合、Keylayで2箇所しかキーを入れ換えていない(左Ctrl⇔Caps Lock、Shift+Caps Lock(大文字・小文字の入れ換え)→Windowsキー)ので、あまり参考にはならないのかもしれません。

 なお、やまぶきの詳細については、作者さまのブログで直接聞いた方がいいと思います。

 また専用キーボードについてですが、ブログに書いた通り、私自身はこれで肩や首の凝りは解消されましたので、試してみる価値はありかと(もっとも、値段がかなり割高ですが…)

 私自身、ド文系なもので(笑)、プログラミングなどの専門的なことはよく分かりません。職場や学校などにパソコンに詳しい人がいたら、その人にいろいろ聞いた方が(独学で全てをやるよりも)確実だと思います。

 以上、もう一人のパソコン音痴からの(汗)アドバイスでした。

投稿: shibue | 2011年11月 3日 (木) 14時47分

レスをありがとうございます!昨日パソコンを買いましたがネット接続で早くも躓いてます笑

うわっ、そのソフト、旧バージョンを使ってまさに入れ替えしてるんですよ!!!

嬉しい。希望が見えてきました!
設定がんばります!

そして、親指専門キーボードでも入れ替え可能なんですね。

リアルフォースと比べてキーの重さはどうでしょうか。

これからも記事を楽しみにしています!

投稿: かほ | 2011年11月 4日 (金) 08時00分

 かほ様

 キータッチの件ですが、リアルフォース・キーボードよりも専用キーボード(私が使っているのは、据え置き型のFMV-KB232)の方がかなり柔らかい感じです。

 親指シフトに適したキーボードの特性は、キータッチが柔らかくて、ストロークが深めであることだと思っています(詳細はこちらを参照)

 その伝で言うと、(こちらの記事にも書きましたように)リアルフォース製品は、親指シフト(NICOLA)入力で使うにはやや弾力がありすぎるような気が、個人的にはしています(ローマ字入力には最適なのでしょうが…)

 もっとも、何が最適なキーボードかについては、それこそユーザーの手の大きさや腕力?などによって左右されるので、あまり断定的なことは言えません(汗)

 たとえば非力で手の小さい女性にとっては、フルサイズのFMV-KB232よりも、もしかしたら携帯型のThumb Touchの方が向いているのかもしれない(値段も据え置き型の半額程度だし…)

 ただ、リアルフォースの打ち心地とどちらが近いかと言われれば、それはFMV-KB232の方だと思います。またThumb Touchの場合、HomeやEndなどの重要なキーをFnキーと一緒に打たねばならない(デフォルトでは)というハンデもあったりします。

 本当はお店などで試し打ちができればいいのですが、現在、親指シフト専用キーボードを常時確保しているような店舗は、富士通の直営店以外まずなさそうです。

 もし近場に専用キーボードを使っている人がおられるようでしたら、その人に頼んで試し打ちさせてもらうのも、一つの手かもしれません。

 というわけで、あまり参考にならないかもしれませんが、私からできるアドバイスは以上です(かえって混乱させることになってしまったかもしれませんね(苦笑))

投稿: shibue | 2011年11月 4日 (金) 16時41分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/204948/53144971

この記事へのトラックバック一覧です: Japanistの操作性のツボ(下)(親指シフト導入記10):

« Japanistの操作性のツボ(上)(親指シフト導入記9) | トップページ | Japanistへの要望(親指シフト導入記11) »