縦書き表示導入記(2) 迷走篇
2・1 ココログ
ところがいざ作業に入ってみると、ブログの縦書き表示が思ったほど簡単ではないことが分かった。まずココログの質問コーナーにあたってみたところ、なにやらややこしいことが書いている(こちらの記事を参照)。
要は自分で直接縦書きのタグを振ったり、文字数を設定したりしなければならないらしい。加えてこのタグ(writing-mode)はインターネット・エクスプローラ(IE)の独自拡張であるため、他のブラウザでは縦書きが反映されないとのこと。結局これがネックとなって、この方法は断念することにした。
2・2 涅槃
次に試してみたのが、「涅槃」という組版エンジンである。作成者は「縦書き文庫」や「つづったー」など、縦書きサービスの開発に情熱を注いでおられる方らしい。
こちらは組版(画面のレイアウト)を設定するスクリプト(Java)をブログ上で走らせることで、縦書きを表示させるメカニズムとなっている。ルビをふったり、縦書きと横書きを混ぜたりなど、レイアウトの柔軟さが魅力的だ。
しかし結局、こちらも挫折することとなった(苦笑)。HTMLやCSS、プログラミングの知識がある程度ないとしんどいのである。たとえば、基本的な導入の仕方はこちらに書いてあるのだが、HTMLの知識がない人には少し難しいのではないだろうか(前のヴァージョンの説明の方がまだ分かりやすいかもしれない)。
また、「涅槃」は自分でレイアウトの設定を自由に行うことができるわけだが、その際、前のココログの設定が全く反映されないことが分かった。つまり、横書きの設定(行間や字数・余白のサイズ・フォントスタイル等々)を縦書きでも引き継がせたかったら、すべて自分で設定し直さなければならないのである。これも初級者にとってはかなり面倒な作業だ(熟練者にはありがたいカスタマイズの自由が、初級者にとってはしばしば重荷になったりするのは、なんとも皮肉な話である)。
加えて、余白(マージン)を指定しても2段目以降は段間のスペースが空かなかったり、リンクページを示すアンダーラインが右横線にならなかったりといった、初級者では対処しかねる現象が起きたりもした。そんなこんなで、結局は「涅槃」の利用を断念することとなってしまったわけである(汗)。
ただ、これは作者の名誉のためにも言っておきたいことなのだが、上記の不具合はすべて筆者の側に問題があるのであって、おそらくHTMLやCSSの編集に慣れている人にとっては、「涅槃」はとても使いやすいスクリプトなのだろう。その拡張性の高さも、プログラムを書ける人にとっては十分魅力的だと思われる。
今後、筆者がHTMLやプログラムの編集にもっと慣れたあかつきには、もう一度、このスクリプトを使った縦書きに挑戦してみたい。今はそんな風に思っている。
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