縦書き表示導入記(9) おわりに
9・1 劇的な改善?
以上、縦書き表示(竹取JS)導入の顛末とそれが執筆にもたらした影響・効果について、あれこれ書いてきた。
もちろん、記事の執筆や表示に縦書きを導入したからといって、全てが劇的に変わったわけではない。既に触れたように、この下書きの大部分は相変わらず横書きで書いているわけであるし(縦書き表示は専ら最終稿のチェック場面でのみ使用している)、アップした記事のリーダビリティも縦書き表示で劇的に改善されたとまでは言い難い(スクロールボックス表示による一覧性の欠如によって、リーダビリティがむしろ悪化したという声の方が多いかもしれない)。
9・2 確かな収穫
とはいえ、確かな変化や収穫があったこともまた事実である。まず、文章の表現様式にこれまで以上にこだわるようになった。とりわけ、英数字の処理や(漢字)記号の扱いについては細心の注意を払うようになっている(もっとも、それが内容面のアップにもつながっているかどうかは、現時点では定かではないけれど)。
また、ローマ字入力と縦書き執筆の相性の悪さとその原因(らしきもの)について自分なりに解明できたことも、個人的には大きかった。微視的分析に伴う知的な快感を久々に味わうことができたし、「親指シフトと縦書き執筆との適合性」という新たな検証テーマを導き出すこともできたからである。
しかし何よりも大きな収穫だったのは、このように(内容的にも分量的にも)充実した記事を書くことができたということ。MARIAの解散以来、「濃密な記事」を書くことがなかなかできなくなっていたが、久々にあの感触(自分が書いているのではなく、何かに書かされているような不思議な感覚)を取り戻すことができた。これだけでも縦書き表示を導入した甲斐があったというものだろう。
9・3 残された課題
ただ、一つ大きな課題が残っている。過去ログの扱いの問題だ。言うまでもなく従来の記事は横書き表示を前提として書かれているので、縦書きに変換するとリーダビリティが著しく落ちてしまうものが多い。もちろん、縦書きでも読める形式に記事を修正すればいいわけだが、半角英数を全角に変更したり顔文字を(漢字)記号に差し替えたりといった細かな作業が要求されるうえ(以前書いたHTMLタグの修正もそこには含まれる)、記事の総数が約百件となると、全ての作業を終えるまでには、相当の時間と労力がかかることになるだろう。
まあ、一気に修正するのは不可能なので、「一日一件」を目標に少しずつ手を加えていきたいと思っている。同時に、「親指シフトの導入」という新たな課題にも着実に取り組んでいきたい。最後のオチが政治家の所信表明のようでこっ恥ずかしいが、そんな決意表明でこのシリーズ(縦書き表示導入記)を締めさせていただくことにしたいと思う。
(了)
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