偉大なるニュートラル(10) あとがき(「ZONE再結成についての私見」を含む)
1 「のめり込めなさ」の効用
というわけで、またも超長文となってしまいました…(汗)。最初のうちはMARIAの時のように文章がスムーズに進まず苦労しましたが、この「のめり込めなさ」自体を考察の対象とすることで、ようやく文章が走り出しました(最後の方は文章に書かされる感じになっていた気が…)。
今回の記事を書くことで、筆者はようやく長瀬実夕という人物やその作品の魅力に開眼することができたように思います(まあ、TAKAYOの時もそうでしたが…)。苦労はしましたが、それが今回の最大の収穫でしょうか。
また、今回の記事は元ZONEのファンにこそ読んでいただきたい。筆者同様、彼女のソロ作品には今ひとつ「のめり込めない」というファンはけっこう多そうなので、今回の記事が実夕の魅力を再認識するための一助となってくれれば幸いです。
特に、第7章に書いた「1stアルバムの聴き方」はぜひ試していただきたい。オリジナルよりもはるかに聞きやすくなるはずです。ちなみに、この曲順でCD-Rに焼いたもの(『Gateway to Tomorrow~short version~』)が現在の筆者のヘビー・ローテーションとなっております。
2 MIZUHOとTOMOKAの復帰
さて、3ヶ月もブログを放置している間に、元ZONEやランタイム関連でもいろいろな動きがありました。その最大のものは、元ZONEのTOMOKAこと西村朝香の復帰でしょう(こちらを参照)。
これまでその安否すら気遣われていただけに(ちょっと大袈裟か(笑))、彼女が再び表舞台に姿を表してくれたことをファンとして素直に喜びたい反面、MARIAや実夕・TAKAYOの苦闘を見ているだけに、彼女がまた苦労してしまうのではないかと、TOMOKA推しの筆者としては少々複雑な気持ちでいます。まあ、彼女が復帰を決意した以上、遠くから応援していこうとは思っていますが…。
また、だいぶ以前の話になりますが、7月27日に表参道で行われたTAKAYOのライブに2代目リーダーのMIZUHOが登場し、「証」を演奏したとのこと。他に、彼女が作詞した「Gossip Girl」という歌をTAKAYOと一緒に歌い、またトークでは相変わらずのコンビネーションを発揮していたそうです。こちらの方も元気で何よりというところでしょうか。
なお彼女の立場はまだ未確定ですが、TAKAYOやFenderの真家さんのブログを読む限りでは、こちらもどうやら音楽の世界に復帰しそうな気配が濃厚に感じられます。
3 ZONE再結成についての私見
ともあれ、これで5人の元メンバーの消息がようやくハッキリとしてきたわけですが、それに伴い巷(ちまた)で姦しく(かしましく)なって来たのが「ZONEの再結成」話。この件に関する筆者の立場は、「5人が心の底からやりたいと思う前向きなものでない限り、再結成はするべきではない」というものです。その理由は以下の通りです。
・ZONEは4(5)人の総和ではない
今回の記事を書いている過程でつくづく思ったのが、ZONEというグループがいかに微妙なバランスの上に成り立っていたのか、ということ。メンバー4人の個性(ボーカル、演奏、キャラクター、等々)が絶妙な按配でブレンドされることによって初めて、彼女たちの作品(楽曲・トーク・ライブ)はあれほどの魅力を発揮し得たのだと思います。
そして、水分子の性質が水素と酸素の原子の性質に還元できないように、ZONEというグループの魅力も、メンバー個々人の魅力には還元することができません。言い換えれば、ZONEの魅力は「足し算」ではなく「化学式」でしか表現できないわけです。記号で書くなら、以下のようになるでしょう。
- TAKAYO/TOMOKA+MIZUHO+MAIKO+MIYU≠ZONE
- TAKAYO/TOMOKA*MIZUHO*MAIKO*MIYU → ZONE(注)
(注)上の足し算の式との混乱を避けるため、あえて「*」を使用しました。本来の化学式では「+」を使います。
・「ZONEマジック」の成立条件
そして、メンバーがただ集まっただけ(「足し算」の世界)ではZONEの魅力は発生しません。メンバーの間で化学反応のようなものが生じて初めて、「ZONEマジック」(足し算を越えた世界)が発生するわけです。ここまで書けば、筆者がなぜ上記のような立場を取ったのかお分かりでしょう。4人(5人)の心が一つにならない限り、「ZONEマジック」は発生しないからです。
仮にメンバーの心が一つにならない状態で再結成したとしても、それは「足し算の世界」しか表現し得ません。おそらく、最初は盛り上がっていたファンも、時間と共に「何か違う」という幻滅を味わうことになるでしょう。当然です。そこには「ZONEマジック」が作動していないからです。
筆者が安易な再結成に否定的な立場を取らざるを得ないのは、以上の理由によります。おそらく、良心的なファン(とりわけ、メンバーのソロ活動もしっかりフォローしてきたファン)の中には、こうした否定的な立場を取る人も少なくないのではないでしょうか。
そして、だからこそ現時点ではまずはメンバーのソロ活動をしっかり応援すべきなのだと思います。万が一メンバーのソロ活動が行き詰まり、背に腹は代えられぬ状態でZONEが再結成されるのなら、上記のようにメンバーもファンも大きな幻滅を味わうことになるでしょうから。(注)
(注)もっとも、そうした前向きではない再結成がもし為されてしまったとしても、筆者はやはりその「引き算のZONE」のことも応援するだろうと思います。ただしそれは、「過去のZONE」に対する感謝の気持ちからです。
4 今後の予定、他
というわけで、後書きもたいがい長くなりすぎたので、ここらへんで強引に切り上げたいと思います。なお、今後の予定ですが、当面はこのような「長編」は書きません(キッパリ)。というか、書く時間もエネルギーもないと思います。代わりに、「短編」の記事を増やしたいなと考えております。「1日の執筆時間が1時間を超えないこと」を条件にして、執筆の頻度を上げれたらいいな、と。
また、ランタイムやZONE関連のテーマで書き出すと絶対に長くなるので、今後はそれ以外のテーマの記事を増やしたいと思っています(これまで何回も宣言しながら果たせていないのですが…(汗)。まあ、朝香じゃないですが、自分なりのペースでぼちぼちやっていく所存です。
というわけで、今回の記事は本当に疲れました(何かいろいろなものを犠牲にした気が…(笑)。次の執筆のための鋭気を回復するためにも、しばらく休養したいと思います。まあ、MARIAの新曲(『さよなら大好きな人』)でも聴いてリフレッシュすることにしましょう。
では、次の記事までしばしごきげんよう。
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